喘息発作を予防するには、ダニ・ハウスダストやタバコの煙を避け、薬を続けることが大切です
喘息は、気管支が敏感になり、風邪やほこり、煙などの刺激によって咳やゼーゼーする発作が起こりやすくなる病気です。発作を繰り返さないためには、原因となる刺激をできるだけ減らし、医師から処方された薬を適切に使うことが大切です。
家庭では、次のような発作のきっかけとなるアレルゲンをできるだけ減らす環境づくりを心がけましょう。
寝室をこまめに掃除する
床や家具にたまったほこりを掃除します。掃除の際は、ほこりを舞い上げないように、掃除機をかけた後に必要に応じて拭き掃除をします。
寝具を清潔に保つ
布団やシーツ、枕カバーなどを定期的に洗濯します。布団は、可能であれば乾燥させるなど、清潔な状態を保ちます。
布製品を見直す
カーペットや布製ソファ、ぬいぐるみなどは、ダニやほこりがたまりやすい場合があります。必要に応じて、洗濯や掃除を行いましょう。
また、タバコの煙は気管支を刺激し、喘息の症状を悪化させることがあります。子どものいる場所では喫煙しないようにしましょう。家の中だけでなく、車内などでも子どもを煙にさらさないことが大切です。
風邪などの感染症も、喘息発作のきっかけになることがあります。手洗いなど、日常的にできる感染対策を行いましょう。
ただし、喘息の原因や発作のきっかけは子どもによって異なります。すべてのアレルゲンを生活からなくすことはできません。血液検査などの結果に加えて、どのようなときに症状が出やすいかを確認しながら、喘息発作のきっかけを把握し、無理のない範囲で対策することが大切です。
喘息と診断されている場合は、症状が落ち着いているときも、医師から処方された薬を指示どおりに使うことが大切です。喘息の治療には、発作が起きたときに症状を和らげる薬だけでなく、普段から気道の炎症を抑え、発作を起こしにくくする「長期管理薬」があります。長期管理薬は、症状がないからと自己判断で中止すると、再び症状が出やすくなる場合があります。

また、吸入薬は、決められた回数や方法で正しく使うことが重要です。子どもは年齢や発達によって、上手に吸入できる方法が異なります。そのため、スペーサーなどの吸入補助器具を使ったり、子どもの状態に合った吸入器具(デバイス)に変更したりすることがあります。吸入がうまくできているか心配な場合や、子どもが使いにくそうにしている場合は、自己判断で薬を中止せず、医師や薬剤師に相談しましょう。喘息の状態に合わせて治療内容を調整していくことも大切です。
発作を完全になくすことが難しい場合もあります。咳や呼吸の状態が普段と違うときは、早めに医療機関へ相談することが大切です。
子どもの喘息について、原因や風邪との見分け方、受診のタイミング、発作時の対応などについてはこちらで解説しています。
関連記事
本当にそれだけ?からだと菌の最新トピックコラム
新しい視点|喘息は「気管支」だけでなく「免疫の働き」からも考えられています
喘息というと、気管支が狭くなって咳やゼーゼーする呼吸が起こる病気というイメージがあります。実際に、喘息では気管支に炎症が起こり、さまざまな刺激に反応しやすくなっています。一方で近年は、喘息に関わる免疫の働きや、腸内細菌との関係にも注目が集まっています。
腸内細菌は、食べ物の消化を助けるだけでなく、免疫の働きにも関わっています。幼い時期の腸内細菌の構成と、その後の喘息やアレルギーとの関連を調べる研究もあります。
また、出生方法や乳幼児期の抗菌薬の使用など、腸内細菌叢の形成に影響する可能性のある要因と、喘息との関連も研究されています。農場など、さまざまな微生物に触れる機会のある環境で育った子どもでは、喘息のリスクが低いという報告もあります。
こうした研究から、幼い時期の腸内細菌や、さまざまな微生物との関わりが、免疫の発達や喘息・アレルギーと関係している可能性が考えられています。腸内細菌が喘息の発症や症状にどのような影響を与えるのかは、まだはっきりしていない部分はありますが、喘息と腸内細菌・免疫との関係について研究が進められています。
これから変わるかも|最初の1000日の腸内細菌への働きかけが、喘息に関係していくかもしれません
胎児期から生まれて2歳頃までの「最初の1000日」は、身体や免疫が発達し、腸内細菌叢も大きく変化する時期です。この時期にどのような微生物と関わるかや、抗菌薬の使用などが、その後の健康とどのように関係するのかについても研究が進められています。
近年、プロバイオティクスなどを利用して、腸内細菌や免疫の働きにアプローチする研究が行われています。また、子どもの喘息についても、特定の乳酸菌などを摂取した場合に、喘息症状や免疫反応にどのような変化がみられるかを調べた臨床研究もあります。
効果がみられた研究がある一方で、はっきりした効果が確認されなかった研究もあります。今後、腸内細菌と免疫、呼吸器の関係がさらに解明されれば、子どもの喘息を考える新しい予防の考え方につながる可能性があります。
本項目は、研究報告をもとに編集部がまとめた「新しい視点」です。まだ研究段階の内容も含まれるため、参考情報の一つとしてご覧ください。
参考
- 一般社団法人日本小児アレルギー学会|小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2023(Web版)
https://www.jspaci.jp/journal/asthma2023/ (2026年8月10日閲覧) - Link between gut microbiota dysbiosis and childhood asthma: Insights from a systematic review
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39105129/ (2026年8月10日閲覧) - Probiotics for children with asthma: a systematic review and meta-analysis
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40342899/(2026年8月10日閲覧) - Efficacy of probiotic Lactobacillus GG on allergic sensitization and asthma in infants at risk
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20604800/(2026年8月10日閲覧) - Exposure to farming environments in childhood and asthma and wheeze in rural populations: a systematic review with meta-analysis
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22625206/(2026年8月25日閲覧) - Associations of prenatal antibiotic exposure and delivery mode on childhood asthma inception
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36990205/(2026年8月25日閲覧) - Decreasing antibiotic use, the gut microbiota, and asthma incidence in children: evidence from population-based and prospective cohort studies
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32220282/(2026年8月25日閲覧) - The Human Microbiome and Child Growth - First 1000 Days and Beyond
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30529020/(2026年8月25日閲覧)
