子どもの熱中症では、頭痛や吐き気などの症状がみられます。意識に異常がある場合は、すぐに救急車を呼びましょう

熱中症になると、めまい、立ちくらみ、大量の汗、筋肉痛などの症状がみられます。症状が進むと、頭痛や吐き気、強いだるさなどが現れる場合があります。
子どもは自分の体調をうまく伝えられないことがあります。「いつもより元気がない」「ぐったりしている」「機嫌が悪い」など、普段との違いにも注意しましょう。
熱中症が疑われるときは、子どもの意識がはっきりしているか、自分で水分を飲めるかを確認することが大切です。吐き気や嘔吐で水分をとれない場合や、症状が改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。
呼びかけへの反応が悪い、けいれんがある、意識を失っている場合は、重い熱中症の可能性があります。このような場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。
子どもの熱中症では、症状の種類だけでなく、普段の様子との違いや意識の状態にも目を向けることが大切です。受診を迷う場合は、医療機関や子ども医療電話相談などに相談しましょう。
本当にそれだけ?からだと菌の最新トピックコラム
新しい視点|暑さで「腸内環境」も変化する?
熱中症というと、体温の上昇や水分不足に注目しがちです。しかし近年、強い暑さと腸内環境の関係についても研究が進んでいます。
健康な若年男性を対象とした研究では、暑さに体を慣らす「暑熱順化」によって、一部の腸内細菌の構成が変化したことが報告されました。また、暑さに適応できた人では、免疫に関わる物質や、暑さによる体への負担を示す指標にも変化が認められました。
対象者が少なく、子どもを対象とした研究ではないため、まだ一般化はできませんが、暑さへの適応には腸内環境も関わっている可能性があります。
これから変わるかも|腸内細菌が熱中症の重症化に関わる可能性
2025年のマウスを使った研究では、腸内細菌のバランスが乱れると、熱中症による臓器へのダメージが悪化することが報告されました。また、腸内細菌に関連する物質が、体の強い炎症反応を抑え、臓器へのダメージを軽減する可能性も示されています。
近年、プロバイオティクスが腸管上皮バリア機能を保護・維持する可能性についても研究が進んでいます。熱ストレスによって腸管バリア機能が低下すると考えられていることから、このような働きが熱中症にどのような影響を与えるのか、今後の研究が進められています。
まだ動物実験の段階であり、人でも同じ効果が得られるかは分かっていません。しかし、腸内環境と熱中症の関係がさらに明らかになれば、熱中症への新しいアプローチにつながる可能性があります。将来は、暑さや水分への対策に加えて、「腸の状態」に目を向けることも大切になるかもしれません。
本項目は、研究報告をもとに編集部がまとめた「新しい視点」です。まだ研究段階の内容も含まれるため、参考情報の一つとしてご覧ください。
参考文献
- 日本救急医学会|熱中症診療ガイドライン2024
https://www.jaam.jp/info/2024/files/20240725_2024.pdf(2026年7月31日閲覧) - Alteration of gut microbiota after heat acclimation may reduce organ damage by regulating immune factors during heat stress
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9995595/(2026年7月31日閲覧) - Gut microbiota-derived xanthohumol protects against heatstroke by inhibiting macrophage pyroptosis in mice
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2090123225005569(2026年7月31日閲覧) - Probiotics fortify intestinal barrier function: a systematic review and meta-analysis of randomized trials
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37168869/(2026年7月31日閲覧)