産後の便秘は水分と食物繊維を意識して摂ることやマッサージなどで改善することがあります
産後の便秘はつらい症状のひとつですが、日常生活の工夫でやわらぐ場合があります。
具体的には、こまめに水分をとり、便をやわらかく保つことが基本です。野菜や果物、海藻などの食物繊維を無理のない範囲でとることも役立つとされています。育児の合間での軽いストレッチや赤ちゃんとの散歩など、体調に合わせて体を動かすこともいいでしょう。お腹をやさしくマッサージすることも取り入れやすい方法です。
また、会陰切開や裂傷、帝王切開後の傷の痛みがある場合は、いきむことへの恐怖心から便秘につながることもあります。排便時の力みで傷が開くことは基本的にないとされていますが、足元に台を置いて前かがみの姿勢をとる、傷口に布を当てて支えるなど、安心して排便できる工夫を取り入れましょう。
一方で、産後は育児で忙しく、思うように生活を整えられないことも少なくありません。
こうした工夫をしてもつらい場合には、便をやわらかくする薬(酸化マグネシウム製剤など)に頼ることも選択肢のひとつです。ただし、薬を使用する際は自己判断せず、授乳中であることも含めて医師に相談しましょう。
便意があるのに出ないのはなぜ?など産後の便秘の原因については、こちらの記事で詳しく解説しています。
つらい産後の便秘がいつまで続くのかの目安が知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
本当にそれだけ?からだと菌の最新情報
新しい視点|産後の便秘はよくある症状。でも背景は一つではありません
産後の女性の約15〜60%に便秘がみられるという報告もあるほど、便秘は産後によくある症状です。一方で、その背景には単純な生活習慣だけではとらえきれない側面があると考えられています。
研究では、水分や食事に加えて、ホルモンの変化、出産後の体の状態、痛みへの不安、活動量の低下など、さまざまな要因が重なりあって起こる可能性が示されています。産後の便秘は一つの原因だけでなく、いくつかの要素が組み合わさって現れるものとして理解が広がりつつあります。
また、水分や食事、生活習慣といった基本的な対策も重要とされる一方で、その影響の現れ方には個人差があることも知られており、「人によって感じ方が違う理由」にも関心が集まっています。
これから変わるかも|腸内環境と「こころ」の関係にも注目が集まっています
最近では、腸内環境が体だけでなく気分やストレスにも関わる可能性に注目が集まっています。腸と脳はお互いに影響し合う関係にあると考えられており、腸内細菌のバランスが心の状態にも関係する可能性があることが示されています。
産後は体の回復とともに気持ちの変化も大きい時期ですが、腸内環境を整えることが、体調だけでなく心の安定にもつながる可能性があるという視点が広がりつつあります。今後は、体とこころの両面からのケアとして、さらに理解が深まっていくことが期待されています。
本項目は、研究報告をもとに編集部がまとめた「新しい視点」です。まだ研究段階の内容も含まれるため、参考情報の一つとしてご覧ください。
参考文献
- National Health Service(NHS)「your body after the birth」https://www.nhs.uk/pregnancy/labour-and-birth/your-body/ (2026年4月3日閲覧)
- 日本消化管学会「便通異常症診療ガイドライン2023」https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00812/ (2026年4月3日閲覧)
