
子どもの急な入院が決まると、保護者は大きな不安や緊張を抱えやすいものです。とくに「付き添い入院」は、慣れない環境の中で子どもを支えながら、保護者自身の生活も調整する必要があります。あらかじめ準備や過ごし方のポイントを知っておくと、心と体の負担を少し減らしやすくなるとされています。
ここでは、付き添い入院を無理なく乗り切るための考え方と工夫を、やさしくわかりやすくお伝えします。
無理をしないための「頑張りすぎない」心構え
付き添い入院では、「保護者が頑張りすぎないこと」が大切です。子どもを支えるためには、まず自分の心と体を守ることを忘れないようにしましょう。入院中は生活リズムが乱れやすく、気疲れも重なりやすい環境です。慣れないベッドや夜間の対応で、睡眠が浅くなることも少なくありません。
完璧を目指すのではなく、「できなくても大丈夫」と考えることが助けになります。つらさを感じたときは、周囲の人や医療スタッフに頼ることも大切です。無理を重ねすぎないことが、結果として子どもを安定して支える力につながるとされています。
負担を軽くする入院グッズ

付き添い入院を少しでも過ごしやすくするには、入院前の準備が助けになります。病院によっては、付き添いの寝具や食事が十分に用意されないこともあり、保護者の負担が課題となる場合があります。
そこで、着替え、洗面用具、スマートフォンの充電器、飲み物、軽く食べられる食品などを準備しておくと安心です。子どもには、いつものタオルや小さなおもちゃ、絵本など、気持ちが落ち着きやすい物が役立つ場合があります。
ただし、持ち込みできる物や面会のルールは医療機関ごとに異なるため、事前に確認しておくようにしましょう。
付き添い中は「短い休息を重ねる」ことを意識しましょう
付き添い入院を続けるうえでは、保護者が短い休息をこまめに取ることが大切です。長時間の緊張や睡眠不足は、知らないうちに心身の疲れがたまりやすくなります。
看護師が病室にいる時間に少し廊下を歩く、売店に行く、飲み物をゆっくり飲むなど、数分でも気分転換になることがあります。窓の外を眺める、軽く体を伸ばすといった簡単な動きも、気持ちを整える助けになるとされています。
家族が交代できる場合は、一時的に任せて休むことも方法の一つです。周囲の人を頼りながら、休めるときに休むことを意識しましょう。
周囲のサポートを上手に活用
入院中は、子どもの治療だけでなく、きょうだいの世話、仕事、家事、お金のことなど、さまざまな心配ごとが重なる場合があります。そのため、家族や医療スタッフのサポートを受けながら過ごすことが、負担の軽減につながります。
家族に洗濯や差し入れを頼んだり、短時間でも交代してもらうことで、休息をとりやすくなります。また、つらいことや分からないことがあれば、看護師や主治医に早めに相談してみましょう。不安を言葉にするだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
さらに、病院によっては医療ソーシャルワーカーなどに相談できる体制や、付き添いを支える制度が整っている場合もあります。遠慮して我慢しすぎず、早めに周囲を頼ることが大切です。
【元小児科ナース】が伝えたい付き添い入院2つのヒント
1.疲れがたまりやすい理由を知っておきましょう
付き添い入院では、保護者が病室で生活を共にしながら、子どものそばを離れにくい状況が続きます。保護者自身の食事・睡眠・入浴といった基本的な生活もままならず、慣れない環境で過ごすこと自体が負担になることもあります。
また、子どもの体調を気にかけ続けることで気が休まりにくく、「自分のことは後回しになる」という状態にもなりやすいです。さらに、外出や交代が難しい状況では、買い物や休息の機会も限られてしまうことがあります。
こうした環境にいるだけで疲れがたまりやすいのは自然なことです。「自分が弱いからではない」と知ることが、心を守る一歩になります。
2.病院の外にも頼れる支えがあります
付き添いの保護者を支えるために、病院の外にもさまざまなサポートがあります。たとえば、NPOによる食事や生活用品をまとめて届けてくれるサポートなどが存在しますが、これは買い物が難しい状況の助けになります。
また、付き添い経験者の知恵や工夫を共有するサイトやハンドブックなどもあり、「どう過ごせばいいか分からない」という不安をやわらげてくれる存在です。
こうした支援は、特別な人だけのものではありません。少し頼ることで生活に余白が生まれ、気持ちにもゆとりが出てきます。ひとりで抱え込まず、使える支援に目を向けながら、無理のない工夫を重ねていくことが、付き添い入院を乗り切るコツといえるでしょう。
頑張りすぎずに一日ずつ乗り越える
付き添い入院は、子どもの回復を願う保護者にとって、心身ともに負担の大きい時間になることがあります。だからこそ大切なのは、「がんばりすぎないこと」です。
医療的なケアは医師や看護師に任せ、保護者は子どものそばで安心できる存在でいることを意識してみてください。一緒に過ごす時間や、やさしい声かけが、子どもの支えになるとされています。
疲れたときや不安なときは、遠慮せず周囲に頼って大丈夫です。保護者自身の心と体も大切にしながら、一日ずつ無理のないペースで過ごしていくことが、付き添い入院を乗り切る力につながります。
参考文献
- 入院中のこどもへの家族等の付添いに関する病院実態調査
https://www.nri.com/content/900032515.pdf(2026年4月10日閲覧) - 子どもの短期入院に付き添う主養育者の疲労の変化と影響要因―家族のサポート状況に焦点を当てて―
https://www.jschild.med-all.net/Contents/private/cx3child/2019/007803/010/0245-0252.pdf(2026年4月10日閲覧) - 付き添いの現状|認定NPO法人キープ・スマイリング
https://momsmile.jp/about/real/(2026年4月10日閲覧) - 付き添いのご家族へ|認定NPO法人キープ・スマイリング
https://momsmile.jp/family/(2026年4月10日閲覧)