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赤ちゃんは痛みを言葉で伝えられず、泣くしかありません。夜泣きは正しく科学的に原因を知り、対処することが親の責任です。

これまでよく分からなかった、夜泣きの原因。
それは赤ちゃん特有の激しい腹痛の可能性が高いと最新の欧米の学会で指摘されています。

新生児特有の激しい腹痛
「乳児疝痛」(にゅうじせんつう)とは?

世代に関係なく、何らかの原因で胃腸に感じる激しい痛みを「疝痛」(せんつう)といいます。
例えば食あたりや、細菌感染性の食中毒で感じる痛みは医学的には疝痛と呼ばれます。
医学の世界では、疝痛は一般的な「おなかが痛い」という状態とは大きく異なり「立って歩くことも出来ないほどの激甚なる痛み」とされています。
この疝痛を赤ちゃんが感じている場合を「乳児疝痛」(にゅうじせんつう)と言います。

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なぜ「乳児疝痛」が発生するのでしょうか?

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乳児疝痛発症の原因は、実はまだ良く分かっていません。しかし近年の欧米の専門学会の研究では、その原因は赤ちゃんのおなかの中の菌のバランスができ上がっていく過程と大きな因果関係があることが指摘され始めています。

成人のおなかの中には、一般的に約100種100兆個の菌が共生しています。 この菌のバランスや質が大切であることは日本でもヨーグルトなどのブームで広く知られるようになってきました。

赤ちゃんのおなかの中では、生まれてすぐから2歳ぐらいまでの間に、ほぼ大人と同じような菌の質やバランスが完成されていきます。その過程がうまくいけば良いのですが、中には色々な理由でその過程がうまくいかない赤ちゃんが多くいるのです。


そうした時に、赤ちゃんはまるで大人が細菌性の食中毒になった時と似たような疝痛を感じている可能性が高いと考えられるようになってきているのです。

赤ちゃんの約26%は乳児疝痛を感じている可能性があります。

健康な赤ちゃんがあやしても何をしても激しく泣き続ける状態を欧米では「コリック」と呼びます。学会の統計調査では全世界で約26%の赤ちゃんにコリックが観察されています。


コリックはさまざまな要因が重なって発生すると言われていますが、生後3月から6ヶ月ぐらいで自然に収まるケースが多いので。これまでは「赤ちゃんの自然な生理現象だ」とか「親に対する甘えが強いからだ」などと言われて来ました。現在もコリックは病気ではないとされています。


しかし、欧米では早くから夫婦の共働きが増え、女性の社会進出が増えるに伴って、激しい夜泣きが続くことは親の仕事や生活品質の低下につながることから、小児科医に対する夜泣き相談が急増し、コリックの原因を真剣に研究しようという動きが小児科医の世界でも生まれてきたのです。


その結果、コリックの大きな原因のひとつが乳児疝痛ではないかと考えられるようになり、その対策として有効なL.ロイテリ菌という母乳由来の乳酸菌を投与することで夜泣きの時間が1/4以下になることが実証されたのです。


これまで「コリック」で片付けられていた夜泣きの原因は、乳児疝痛である可能性が高いことが分かってきたのです。


どうすれば乳児疝痛を予防・改善し、
夜泣きを減らすことにつながるのか?

イタリアの専門医のチームは乳児疝痛が赤ちゃんの腸内細菌のバランス形成不全に起因するとの仮定のもとに、長期間にわたる大規模な臨床試験を行いました。

その結果、母乳に住んでいる乳酸菌「ロイテリ菌」を投与した赤ちゃんのグループは、試験開始時点では平均200分泣いていたのが、28日後には50分以下にまで大きく泣いている時間が短縮されることを発見しました。

この結果は小児科学会でも驚きの発見として迎えられ、全米報道もされるなど大きな話題となりました。

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