
赤ちゃんの歯磨きは短時間で優しく行うことが大切です
赤ちゃんの歯磨きは、無理なく続けられるように短時間でやさしく行うことが基本です。強くこすらなくても、ポイントを押さえることで十分に汚れは落とせるとされています。
赤ちゃんの歯はやわらかく、歯茎も敏感です。そのため、
- 力が強すぎると痛みや嫌がる原因になる
- 「歯磨き=嫌なもの」と感じると習慣づけが難しくなる
といった点に注意が必要です。乳児期から歯ブラシに触れる機会をつくり、歯磨きを生活の一部として取り入れていくことが大切です。
仕上げ磨きは、保護者のひざの上に寝かせて行うと口の中が見やすくなります。基本のポイントは以下の通りです。
- 歯ブラシは鉛筆のように軽く持つ
- 小刻みに動かしてみがく
- 特に上の前歯の唇側は、小帯(唇と歯茎をつなぐ筋)にあたらないように注意する
- 奥歯はかみ合わせや溝を意識してみがく
時間は1回1〜2分程度が目安ですが、最初は時間にこだわらず、歯ブラシに慣れることを優先して問題ありません。
仕上げ磨きを続けるためには無理をしないことも重要です。
- 嫌がった場合はできたところまでで終える
- 無理やり続けない
- 磨けた日はしっかり褒める
- 鏡を見ながら「きれいになったね」と伝える
このように、前向きな体験として積み重ねていくことが習慣化につながります。また、頑張って磨こうとするあまり保護者の表情が真剣になり、赤ちゃんが怖がってしまうこともあります。親子ともにリラックスして行えるよう、音楽をかけるなど雰囲気を整える工夫もよいでしょう。
なお、寝かせて磨く際は、保護者がのぞき込みすぎると口の中が見えにくくなるため、手元が暗くならないよう照明にも気をつけましょう。
赤ちゃんの様子を見ながら、安心して続けられる方法を見つけていきましょう。
本当にそれだけ?からだと菌の最新情報
新しい視点|赤ちゃんの口の中は「最初の2年」で大きく変わるとされています
赤ちゃんの口の中の細菌は、生後数か月から急速に増え、特に最初の1〜2年で大きく変化することがわかっています。この時期にどのような菌が定着するかが、その後の口の環境に影響する可能性があるとされています。
また、むし歯(虫歯)の原因となる菌は生まれたときには存在せず、生活の中で周囲から移るとされています。こうした背景から、歯みがきは単に汚れを落とすだけでなく、口の環境づくりの一つとして考えられています。
これから変わるかも|やり方よりも「気持ちへの配慮」が重要かもしれません
乳幼児の歯みがきがうまくいかない理由は、単に方法の問題だけではない可能性があります。研究では、子どもの嫌がりや癇癪、イヤイヤ期など、感情面への対応が大きなポイントになることが示されています。
つまり、歯みがきの上手さよりも、「どのように関わるか」が習慣づくりに影響する可能性があります。無理にやらせるのではなく、たとえば
- 機嫌のよいタイミングに行う
- 好きな音楽をかけて楽しい雰囲気をつくる
- 「あと10秒だけやろうね」と短く区切る
- 終わったあとにしっかりほめる
といった関わり方を取り入れることで、受け入れやすくなることもあります。
歯みがきを「やらせる時間」ではなく、「一緒に慣れていく時間」として関わる視点も、これからの習慣づくりのヒントになりそうです。
本項目は、研究報告をもとに編集部がまとめた「新しい視点」です。まだ研究段階の内容も含まれるため、参考情報の一つとしてご覧ください。
参考文献
- こどもたちの口と歯の質問箱|日本小児歯科学会 https://www.jspd.or.jp/question/2years_old/ (2026年4月7日閲覧)
- 標準的な乳幼児期の健康診査と保健指導に関する手引き|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/tebiki.pdf (2026年4月7日閲覧)
- Development of Tooth Brushing Recommendations Through Professional Consensus https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0020653923009632 (2026年4月10日閲覧)
- The Infant Oral Microbiome: Developmental Dynamics, Modulating Factors, and Implications for Oral and Systemic Health https://www.mdpi.com/1422-0067/26/16/7983 (2026年4月10日閲覧)
- Parents’ perceived barriers and enablers to providing optimal infant oral care https://link.springer.com/article/10.1186/s12889-025-22487-9 (2026年4月10日閲覧)