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乳児におけるD(-)-乳酸産生菌の安全性
L. reuteri は多くのLactobacillus 属の1種で、通常の糖発酵の過程においてL(+)-乳酸とD(-)-乳酸の両方を産生することで知られている。
生後1年間のアレルギー発症リスクの減少に関する前向き試験における安全性試験として生後6-12カ月の乳児を対象にD(-)-乳酸の血中濃度を調べた。
232人の乳児から無作為に24名の乳児が選ばれ、この24名の乳児にL. reuteri ATCC 55730もしくはプラセボを出生時から生後12カ月間に渡って投与した。
オイル中に懸濁したL. reuteri の1日の摂取量は108 CFUとした。
24名中14名の乳児にはL. reuteri を、10名にはプラセボを投与した。
24人全員のD(-)-乳酸値は非常に低く(0.020 - 0.130 mmol / L)、L. reuteri を摂取した乳児とプラセボを摂取した乳児との差異は見らなかった。
検出された最高値はヒトにおける正常値の十分な範囲内であり(0.020 - 0.250 mmol / L)、ヒトにおけるD-乳酸に関連する数値よりもはるかに低値だった(> 3 mmol / L)。
酸毒症に関連する症状の報告はなかったし、参加した子どもにおける安全性の問題も報告されなかった。
結論:健康な新生児に対する生後12カ月間にわたる毎日のL. reuteri 摂取が安全であることが確認され、血中D(-)-乳酸濃度においてもその安全性が確認された。